小市民の声置き場。

わたくし、世界的小市民ピエール八木澤が、大市民になるために小市民発言はリアルでは控えます。しかし、それはそれでストレスが溜まるため、こちらに吐き出します。デジタルガジェット、WEBマーケティング、集客、府中アスレティックFCが好きですが、典型的な雑記ブログです。

フットサルの観客動員を増やすために

フットサル全国リーグであるFリーグは、メジャースポーツに比べメディアの扱いが少なく、一般の人の目に触れることはとても少ない。

 

Fリーグが2007年に立ち上がってから、観客動員や選手の待遇など、リーグが大きく変わらないこの現状をなんとかしたいと、昨年立ち上げられたWebメディアがフットサルエッジ。

 

地域リーグからFリーグ、代表まで網羅され、さらに私のように新しいファンにとってはたまらないコンテンツである「関東フットサル三国志」という黎明期から振り返るストーリーと、情報豊富で更新が待ち遠しい素晴らしいサイトだと思う。

このサイトを立ち上げたサッカーライターである北健一郎氏/futsalEDGE編集長の所信表明から引用すると

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フットサルに必要なのは「メディア」なのではないか。見に行ったお客さんが改めて試合を振り返ることができて、見に行っていない人が次の試合を行ってみようという橋渡しになるーー。そんな「メディア」が必要なんじゃないか。

中略

フットサルは面白い。間違いなく、面白い。だけど、それがちゃんと届いていない。届けることさえできれば、フットサルは絶対に大きくなる。そんな志を持って、「futsalEDGE」はスタートします。
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この意見に激しく賛同している。

ただ、メディアがやる以前にクラブがやるべきことがあると思う。

私は一応、広告という仕事をしていて常々「メッセージを伝える」ことを考えている。伝わらなければ言ってないのと同じ。相手にどのように伝わるか、受け手の心の中にどのようにポジショニングされるかを考えている。

じゃあ誰にどんなメッセージを伝えられればフットサル、Fリーグの発展につながるのかを、一人のフットサルファンとして考えてみたい。

 

 

今、Fリーグを見に来ている人は、どんなきっかけで興味を持ったのか。Fリーグの会場には、色々な人がいる。府中であれば、地元の支援者、競技経験者、エンジョイプレーヤー、サポーター、子供がサッカーを習うパパ・ママ等など。絶対数は違うだろうが、野球やサッカーの観客と顔ぶれに大きな違いはないだろう。

 

Jリーグが好きでスタジアムに行く人と、Fリーグが好きでアリーナに行く人の違いはサッカーが好きかフットサルが好きかというより、フットサルの面白さを知っているか、だけだと思う。

一度見れば「面白い」と思う人は多いと思う(私もその一人)。見るきっかけと、見た時の心の中のポジショニングが大切だと思う。

 

例えば、府中には多摩川競艇場がある。モータースポーツのレースは好きだけど競艇競馬のたぐいはやらない。私の家から近いので1度だけ中を覗いてみたことがある。正直、何が面白いのか全くわからなかった。

 

しかし、その後たまたまTV中継を目にし「選手の因縁」や「このレースに賭ける意気込み」などのバックグランドストーリーを見た時は、そのレースを最後まで見て面白いと思った。

 

やはりドラマ、演出が圧倒的に足りない。「絶対に負けられない戦い!!!」という煽りや大げさな演出は必要ないかもしれないが、興味を持ち共感できる「ストーリー」は必要だ。選手のストーリー、クラブのストーリー。リーグの歴史。ライバルチームのストーリーなど。阪神も巨人がいるから盛り上がる。ミラノダービールールダービーは、ライバルや歴史的背景があるから盛り上がる。Jリーグは歴史は無かったけれど土壌はあったこと、メディアの力で一気に浸透した。Fリーグを一気に盛り上げるメディアが大きな力を持たないなら、ストーリーとドラマで人々の心を掴み、動かすしか無いと思う。

 

私が府中アスレを好きになったのは地元であることが一番だけど、応援したくなる「背景」があり知ったからだ。

日本唯一の完全プロクラブである絶対王者名古屋オーシャンズという強敵があり、そこに立ち向かう存在であること。

府中市は30年前よりフットサルの街として地味に発展していたこと(そんなことは知らなかったけど)。

そんな街で生まれた小さなチームが、努力を重ね運営面と実力面で日本トップレベルになりながら、ホーム体育館のキャパシティ不足が原因で初年度のFリーグに加盟できなかったという悔しい歴史があること。

その時、トップチームの多くの選手は他のFリーグクラブに引き抜かれる中、残ったメンバーともう一度ゼロから、Fリーグを目指してリスタートしたこと。

そして2009年にFリーグに加盟し、昨シーズンは悲願の初タイトルを獲得したこと。

生え抜きのキャプテン、海外経験もあり日本代表にも選出される皆本晃というプロ契約選手がいること。

チーム創設者のひとりである現GM、副理事長である中村恭平氏は、ビジネスとフットサルと二足の草鞋を履きながら活動し、経営者として株式上場までしたのに、フットサルの方が大切だとその座を辞し、府中のみならず、日本のフットサルのために働くスーパーマンであること。

私が府中アスレを応援したくなる背景はまだまだたくさんある。もっと知りたいことがあるけど情報がない。

 

町田や浦安、大阪、すみだもFリーグ前に歴史はたくさんある(僕は三国志でしか知らないけれど)。それを伝えるためには、クラブがコンテンツを用意しなければならない。全チーム全選手のWikipediaをきちんと入力する、メンテナンスする、公式サイトの過去コンテンツを整理し調べられるようにする、など地道なことも必要だと思う。

そして何より、魅力的な人たちを魅力的に表現することが必要だ。

例えばアスレの選手、スタッフ、スポンサー、サポーターに取材し紹介するコンテンツがあってもいい。僕は知りたい。

それが町田も、仙台も、名古屋にもあったほうがいい。徳島ラパスにも必要だと思う(その表現するクオリティが重要だけど)。

たくさんの人々が集まって創りあげ、生きているクラブのストーリー。
これが表現でき伝えられれば、より多くの人に共感してもらい、人を動かすことができるのではないか。

10年目のFリーグが始まる前に、何かできることをはじめてみたい。